標高1,100mでのスノーキャンプ

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今年、ある方々と談笑しているとき、「冬、旭岳温泉周辺(標高1,100m)でテントを張って寝る」

ということができる、というお話を聞きました。

 

「なぁんにも聞こえない静かな夜の中でね、みんなで火を囲みながらしゃべってるの。

ホットワインとか、ウィスキーとか飲んで」

「へぇ、すごいですね! そんなの誰でも出来るんですか?」

「出来るよ。だって小学生の自然体験キャンプでもやってるんだ」

 

その話を聞いたとき、わたしの中でグワーッと妄想が膨らんでいきました。

真冬の凜と張り詰めた空気の中。白光に輝く月明かりと、それを雪が反射して

影が出来るほど明るい真夜中。

気の知れた仲間たちと酒を酌み交わしながら、時に笑い時に静かに語り合う。

もともと「冬の夜」が大好きなわたしは、一瞬にしてそんな情景に微笑んでしまった。

 

 

というわけで、先日その旭岳温泉の付近でスノーキャンプをやってきました!

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今回は楽しみ、というわけではなく、自然体験に関する講習会への参加でありまして。

遊び方や冬の体験活動におけるリスクマネジメント、その他冬の野外での調理実習とか、

そういったものを学んできたんですが、その中での「冬季野外泊実習」なわけです。

 

その中では、外で豚汁&キムチ汁(+それにうどんをいれた)を食べたり

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雪も降っていないように見えるけど、空気中には小さな雪か水蒸気が飛んでいるので

 

 

IMG_1835.JPG晩御飯を19時に食べ終えたら何もすることがないので、小さなテントに男5人が入って、

酒を酌み交わすわけです。

ホットワインに焼酎、ビール。

北方の方々がアルコール度数の高いお酒を飲むのがわかりました。

寒さであまりお酒が回らないですし、しかもあの喉元を酒が通り過ぎ「カーッ!」とする感じが、

なんともいえないんです。

 

夜は、かなり吹雪きました。

テントがバッサバッサ揺れて。

そんな深夜2時。どうしても喉が渇き、お水をテント内に持ってきてなかったので、外に出た。

あたりを散策。

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吹雪。

時折目も開けてられないようなほどの強さ。

遠くで激しく川が流れるような音が聞こえる。それが吹き荒ぶ風と山々の咆哮であることに気づく。

吹き上げる風と雪の上空で、冷めた月が光を放ち、雪上にくっきりと巨木の陰がうつる。

圧倒的な自然の存在そのものを感じる。

そして、その瞬間。笑ってしまった。

目に見えない巨大な存在が、そこに確かに存在することがわかったからだろうか。

うまくは表現できないけど。

それでも、笑ってしまった。

 

翌朝。

目が覚めると7時です。

きちんとした服装を着てシェラフ(寝袋)で寝ると、寒いどころか暑さを感じるくらいでした。

気合を入れてシェラフを出て、テントの外に出るとビックリ。

昨日作った道が跡形もなくなくなっています。

当然足跡も。

全部風で整地されてしまったんですね。

 

朝食は、暖かな雑炊。

外に出て冷えてしまった身体に染み渡るような暖かさでした。

 

その後は、自然発生的に雪合戦になり。

そして、スノーシューを履いて周囲を散策です。

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この日は暖かくなって、雪が少し重い。

樹木にはとろろ昆布のようなサルオガセがありました。

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また、なんとオコジョを発見!

ガイドさんたちでも滅多に見れず、旭岳周辺でもいるけど見たことの少ない希少な存在。

国際自然保護連合のレッドリスト(絶滅危惧種)にも登録されている貴重な存在でもあるんです。

決して立ち止まることなく動き回っていたので、写真は撮れず、足跡だけ・・・・・・

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原生林の中を歩くスノーシュー。時折急な坂を滑り降りたり、雪煙を上げながら勢いよく走ったり。

楽しいヒトトキでした。

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たっぷり歩いた後は、昼食(もちろん調理実習を兼ねてですよ)。

献立は、北海道といえばのシチュー!

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そして!

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ダッジオーブンで焼かれた、鳥の胸肉と子鹿のロース肉です!

 

IMG_1861.JPGいやぁ、うまかったぁ! これぞアウトドア!

 

 

といった感じの1泊2日のスノーキャンプ体験でした。

ホント面白かった。

家族とかかなり親しい仲間たちと一緒なら、より一層楽しいはず!

夜7時には晩御飯も食べ終わり、あとは小さなテントの中でじっとしてお酒を飲み談笑するわけ。

状況によっては厳寒の中、火を囲みそれを出来るわけです。

まさしくアウトドアの醍醐味。

寒さは旭岳温泉周辺としては、本格的な冬に比べてまだまだ暖かい(?)

夜で-10℃くらいですが、きちんと暖かい服装、帽子、手袋などをすれば問題ない。

あとは、濡れないようにすること。

下着や靴下。

これらが濡れると、気温が気温なのですぐに冷たくなる。

そうするとどうしようにもならないほど冷たい。

だから濡れないようにする。

濡れたらすぐに変えちゃう。

それだけでずいぶんと寒くなることを防げるものです。

 

 

その他は、寝袋で寝ますので肉体的にはかなりきますけど、

こういった自然を感じ、その中でのヒトトキはなんともいいがたい大事なものであります。

大自然の存在そのものを感じることが出来るんです。

その荒れ狂う世界の中でひとり立つと、孤独を感じました。

それは、けっして寂しさを感じる孤独ではなく、生命を感じる孤独でした。

 

 

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